過活動膀胱の治療方法
いつもトイレが気になる…過活動膀胱
過活動膀胱は、どうやって診断するの?
過活動膀胱は、問診、質問票、超音波検査や尿検査から「症状の確認」と「他の病気の可能性を除外すること」で診断されます。
症状の確認には、過活動膀胱症状質問票(OABSS、右図)がよく使われます。過活動膀胱は、多くの女性が悩んでいる病気なので、その症状を伝えることは、恥ずかしいことではありません。
他の病気の可能性を含めて確認する検査として、腹部エコー検査(残尿量の測定)、血液検査、尿検査などがあります。
【過活動膀胱症状質問票(OABSS)】
以下の症状がどれくらいの頻度でありましたか。
この1週間のあなたの状態にもっとも近いものを、ひとつだけ選んで、点数の数字を○で囲んでください。
質問3の点数が2点以上あり、かつ、合計点数が3点以上の方は、過活動膀胱の可能性があります。
日本排尿機能学会 過活動膀胱ガイドライン作成委員会 編 : “2.診療ガイドライン”
過活動膀胱診療ガイドライン第1版 ブラックウェルパブリッシング株式会社 : 26, 2005[L20060119030]
薬物療法、膀胱訓練、骨盤底筋体操で治療できる!
薬物療法には、膀胱の収縮を抑える働きのある薬や、膀胱に尿をためる容積を増やす薬があります。
膀胱訓練は、尿意をもよおしてもできるだけ我慢する訓練です。
骨盤底筋体操は、頻尿や尿もれを我慢する筋力をつけるための体操です。
1.薬物療法
おもな薬剤は次の2種類です。
抗コリン薬
自分が意図しないタイミングで膀胱が収縮することを抑えます。副作用に、便秘、口渇、残尿があります。
β3刺激薬
膀胱を弛緩させ、蓄尿機能を高めます。副作用に、γ-GTP上昇、便秘のほか、心拍数増加などがあります。
2.膀胱訓練
トイレに行く間隔を延ばして、膀胱の容量を増やす訓練です。
膀胱訓練の方法
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1
尿意を感じたら、5分間我慢する。
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2
5分間我慢できるようになって1ヵ月ぐらいしたら、10分間我慢してみる。
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3
10分間我慢できるようになって1ヵ月ぐらいしたら、15分間我慢する。このように、できる範囲で少しずつ、トイレに行く間隔を延ばしていく。
目標は、2時間半(映画1本の長さ)!
3.骨盤底筋体操
尿道を締める骨盤底筋の収縮力を高める訓練です。
※ 咳やくしゃみをしたときなどに尿がもれてしまう「腹圧性尿失禁」の治療に行われますが、過活動膀胱でみられる「切迫性尿失禁(UUI)」にも有効です。
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1
外陰部に意識を集中して、肛門と膣・尿道を5~8秒くらいキューと締める。
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2
締めていた部分をゆるめ、数十秒休む。
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3
1、2の動作を繰り返す(目標は1日30~50回。3~4回に分けて行い、習慣化して毎日継続することが理想的)。
簡単!トレーニング動画:
骨盤底筋体操
監修:医療法人LEADING GIRLS
女性医療クリニック LUNAグループ
理事長 関口 由紀 先生
監修:医療法人 LEADING GIRLS 女性医療クリニック・LUNAグループ 理事長 関口 由紀 先生